Angler’s recipe ~サーモンの温燻
Angler’s recipe
今回は、釣ってきた魚をおいしく頂くことを目的にずいぶん前からメモ帳にレシピを本で調べては自分なりに工夫を加え、メモしてきたものを、デジタル化しつつ備忘録として残そうということでAngler’s recipe 今回はサーモンの温燻編です。
温燻とは?
燻製とは、生の肉や魚を桜のチップなどの煙で燻すことで、保存のきく食品に替えることができるようにした古から伝わるレシピですが、実は燻製には3つの種類があることはあまり知られていません。
3種類の燻製法
「冷燻」「温燻」「熱燻」。
あまり聞きなれない言葉かもしれないのですが、肉や魚を煙で燻すときの温度の違いによって分けられ、それぞれ適した食材があると言われています。「熱燻」は80℃以上、「冷燻」は25度以下、「温燻」はまぁその間の5-60から80℃以下と言われています。
冷燻
スモークや燻製と聞くと、スモークサーモンやベーコンを思い浮かべる人も多いと思いますが、スモークサーモンは、「冷燻」でつくられます。25度以下が適温ですので、スモークサーモンは主に冬場に作られてきました。生ハムなども冷燻です。
温燻
適温が、50から80℃と言われる「温燻」は、ベーコンやソーセージをつくるのに最適な温度です。実は、毎月、自家製ベーコンをつくっているのですが、安い海外からの輸入のブロック肉でもかなり美味しくつくることができるのでおススメです。近日中にベーコンをまたつくりますので、後日その様子をアップする予定です。
熱燻
「熱燻」は少し独特な燻製の方法で、実はあまり保存性がないと言われています。どれくらい保存がきくか試したことがないので、まったくわかりませんが、すぐに食べてしまう肉料理、例えばキャンプ場でモモ肉をスモークして野菜と付け合わせて食べたり、スモークチキンというヤツですね。また、卵も絶品だったりします。魚料理もおいしいですね。
サーモンの温燻製
さて、話が燻製のご紹介になってしまいましたので、本題に戻します(^^;
ではさっそく、サーモンの温燻製のメモです。
釣った魚を料理すると冒頭で言っておきながら、今回のおススメは、「新巻鮭」を使うレシピです。夏場に北海道に渡り、十勝のサーフで銀色に光るピカピカのシロサケ(チャム)を釣って、氷詰めにして、佐川急便やヤマト宅急便で送る。なんてことも昔やったことがあるのですが、コストパフォーマンスが非常に悪いと鮭は大きい魚ですので郵送する手間が半端じゃないので、いつのまにか荒巻鮭をつかうのがベストな選択ということになりました。
サーモンの温燻製
- 新巻鮭を用意します。手に入るのであれば中塩がベストです。北海道には「山漬け」という鮭を塩蔵の中に付け込む美味な食材があるのですが、非常に塩気の強い食品ですので、「新巻鮭」がおススメです。
- 次に下準備ですが体表の塩は落とし、キッチンペーパーなので水気を切っておきます。ここは適当でいいです。
- スパイスを良くすり込みます。鮭の体表だけじゃなくて、鮭のお腹の中に入念にスパイスをすりこみます。スパイスはお好みでいいのですが、いつもは手に入りやすいカルディのミックススパイスを使ってます。
- スパイスをすりこみおわりましたら、ラップで丁寧に包んでおきます。
- 冷蔵庫に一晩置いておきます。12時間くらいでOKです。
- パイスを丁寧に水で流しつつ、流水で1時間程度、塩抜きします。水道水はあまり勢いよく出さなくても、ちょろちょろ出しながらでOKです。
- 塩抜きがおわりましたら、両方のエラに糸を通し、風通しの良い場所に吊るしておきます。風乾という作業工程です。
- 風乾が終わるといよいよ燻製といきたいところですが、煙をかけておくまえにチップを入れずに空の状態で熱を一時間程度かけておきます。熱をかける温度の目安は50~60℃。それ以上温度を上げ過ぎると焼鮭料理になってしまいますので、低めの温度が重要です。温度が低めなのでガスコンロを使う時はトロ火のセッティングに注意!
- 1時間の低温温燻が完了しましたら、いよいよチップを入れて70℃まで温度を上げ、約3時間スモークします。チップの種類はさくら・りんご・ヒッコリー・なら・くるみ と様々な種類が市販されていますが、やはり基本は「さくら」のチップです。チップは好みが分かれますので、色々試してみてください。
- スモークが終わったら、体表にブランデーを少々振りかけて30分程、風通しの良い場所に風乾します。
- 風乾が終わったら、ラップに包んで冷蔵庫で保存。完成です!
お疲れ様でした。
下の写真は、山形の寒河江川に鮭有効利用調査に行ったときに釣り上げた雌のシロサケです。餌を捕食しなくなった河川に上るシロサケを釣る為には、ちょっとしたコツが必要なのですが、それはまたの機会にご紹介させて頂きます。
